Wacom Stylus SDKのアップデート内容
2014年11月04日
「Intuos Creative Stylus 2」、「Bamboo Stylus fineline」の発売に伴い、Wacom Stylus SDKもアップデートされました。
追加や変更された点がありますので、今回はWacom Stylus SDKのアップデート内容をご紹介したいと思います。
1. 利き腕の変更
新しいSDKでは利き腕の設定が行えるようになっており、左利きのユーザーでも使いやすいように設定を行えるようになりました。
設定はTouchManagerのsetHandednessで変更することができます。
// 左利きに設定 [[TouchManager GetTouchManager] setHandedness:eh_Left]; // 右利きに設定 [[TouchManager GetTouchManager] setHandedness:eh_Right];
2. ペアリングする信号強度の下限設定
新しいSDKではペアリングするときの信号強度の下限の設定も可能になっています。
初期値が「-60」となっており、この値を「-100」に近づけることでスタイラスペンを認識しやすいように設定することができます。
設定はWacomManagerのsetMinimumSignalStrengthで変更することができます。
// ペアリングする信号強度の下限を変更 [[WacomManager getManager] setMinimumSignalStrength:-100];
3. パームリジェクションのタイミング調整
この機能は以前から存在しましたが、メソッド名・初期値が変更となっています。
初期値は「55000」マイクロ秒となっており、パームリジェクションが手を認識してしまう場合には数値を減らしたりすることで調整することができます。
// パームリジェクションのタイミング調整 [[WacomManager getManager] setTimingOffset:40000]
4. スタイラスペンの座標調整
「Intuos Creative Stylus 2」、「Bamboo Stylus fineline」は従来のスタイラスペンと違いペンの先が細いため、座標のズレが発生しやすくなっています。
この座標のズレはTouchManagerを利用することで、自動的に位置のズレを調整してくれます。
実装方法は以前ご紹介した「パームリジェクションの実装」と同じように、TouchManagerにタッチ情報を登録・取得することで実装することができます。
この内容は、WDNのワコムiOSインテグレーションガイドに記載されています。
興味のある方はぜひ一読して頂ければと思います。