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今回からWacom Stylus SDKを使って、iPad向けの簡単なサインアプリを実装する方法についてまとめていきます。

開発環境はXcode5を使用しています。
別のバージョンのXcodeでは設定方法が違いますので、ご注意ください。
また、プロジェクト作成後からWacom Stylus SDKを利用する方法をまとめています。

1.フレームワークの追加

まずは、Wacom Stylus SDKを利用するために必要な「CoreBluetooth.framework」をプロジェクトに追加します。

プロジェクトの「General」に「Linked Frameworks and Libraries」という項目があるので、「+」ボタンを選択してフレームワークを追加します。

framework1

bluetooth

次にWacom Stylus SDKのフレームワークをプロジェクトに追加します。
フレームワーク選択時に「Add Other…」というボタンを選択し、入手したWacom Stylus SDK内の「WacomDevice.framework」を指定します。

framework2

以上で、Wacom Stylus SDKを利用するための準備は整ったので、ViewControllerにデバイスを検出するためのコードを追加します。

2.ヘッダファイルのインポート

利用するViewControllerのヘッダファイル内で「WacomDevice/WacomDeviceFramework.h」をインポートします。

#import <UIKit/UIKit.h>
#import <WacomDevice/WacomDeviceFramework.h>

3.WacomDiscoveryCallbackの採用

WacomDiscoveryCallbackプロトコルを採用します。
WacomDiscoveryCallbackプロトコルはデバイスの検出・接続などを実装するためのプロトコルです。

@interface WDViewController : UIViewController<WacomDiscoveryCallback>

@end

4.デバイス検出の処理追加

デバイスの検出を開始する処理を追加し、WacomDiscoveryCallbackで必須となっているメソッドを追加します。

- (void)viewDidLoad
{
    [super viewDidLoad];
    
    // デバイス検出の通知先を登録
    [[WacomManager getManager] registerForNotifications:self];
    // デバイスの検出を開始
    [[WacomManager getManager] startDeviceDiscovery];
}

// デバイスの検出イベント
- (void) deviceDiscovered:(WacomDevice *)device {
    // 認識した端末の情報をアラートで表示する
    NSString *msg = [NSString stringWithFormat:@"ID:%@\n端末を検出しました",
                     [device getUUIDAsNSString]
                     ];
    
    UIAlertView *alert = [[UIAlertView alloc] initWithTitle:@"SignApp"
                                                    message:msg
                                                   delegate:nil
                                          cancelButtonTitle:@"OK"
                                          otherButtonTitles:nil];
    [alert show];
}

- (void) discoveryStatePoweredOff {
}

「- (void) deviceDiscovered:(WacomDevice *)device」というメソッドで検出したデバイスの情報を受け取れるので、今回はUIAlertViewでペンに割り振られているUUID(一意なID)を表示しています。
実際にアプリをiPadで実行し、デバイスを検出すると、以下のようにアラートが表示されます。

IMG_0004

デバイスの検出までは実装できましたので、次回はペンを使って線を引く処理と筆圧によって線の太さを変更する処理を実装していきます。

今回実装したソースコードはこちらからダウンロードできます。
ソースコードには、Wacom Stylus SDKは付属しておりませんので、以下のページからWacom Stylus SDKを入手し、WacomDevice.frameworkを追加してください。

Wacom Stylus SDK入手申込み

Intuos Creative Stylusをビジネスシーンで活用いただけるように利用シーンなどの情報を掲載したWebページをオープンしています。
是非ご覧ください。

http://tablet.wacom.co.jp/business-education/guide/cs500/

「Wacom Stylus SDKを利用したサインアプリの実装①」へのコメント(1件)

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